原点回帰した20年ぶりの刷新以降、爆発的な人気で注目のジムニーとジムニーシエラ。
そんな中「納期が早まることはあるのか?」や「キャンセルが続出しているのか?」という疑問を抱える方も多いはず。
結論から書くと、ジムニーの納期は1年から1年半ほどです。今から注文した場合、2025年の後半頃には納車されるでしょう。
この記事では、ジムニー納期の最新情報や納期を早める契約方法を解説しつつ、ジムニーの注文にキャンセルが続出している噂にも回答します。

正規ディーラーで勤務する筆者が、ジムニーの納期が早まる可能性や人気車種の納期短縮のコツをお伝えします。
ジムニーやジムニーシエラの購入を検討している人は、この記事を参考にして良い条件で交渉してくださいね。
ジムニー/ジムニーシエラ納期の最新情報!今注文したらいつ納車される?


2025年現在、ジムニーの納期は1年から1年半ほどです。今から注文した場合、2026年前半〜2027年前半には納車されるでしょう。
全国軽自動車協会連合会が発表している軽四輪車 通称名別 新車販売速報によると、2024年9月のジムニーの販売数は3,775台でした。
ジムニーの販売台数推移 | |
---|---|
2024年9月 | 3,775 |
2024年8月 | 2,905 |
2024年7月 | 3,682 |
2024年6月 | 3,477 |
2024年5月 | 3,178 |
2024年4月 | 3,095 |
2024年3月 | 4,437 |
2024年2月 | 3,755 |
2024年1月 | 2,474 |
ジムニーの納期が遅れている理由は、生産できる限界を超えるほどの人気があるためです。
半導体不足で生産スピードが遅れているのに加え、海外への輸出も増えているため国内の供給が追いついておりません。
ジムニーとジムニーシエラの納期に関する最新情報を、実際にジムニーが納車された口コミを参考にまとめました。
上記から、MT車は比較的短納期ですが、他の条件だと1年から1年半の納期が必要だとわかります。最新の納期事情について考察してみましょう。
【シエラ(MT)】2024年1月に注文し、2024年9月ごろに納車された
シエラのMT車を契約されたこの人は、比較的早い約9か月で納車されています。
これは「MT車の方が注文数が少ない」「AT車に必要な部品が欠品しており、MT車を優先して製造している」と言った2つの理由のためです。



MT車の販売推移はAT車より早く落ちる傾向があります。販売台数が落ち着いた頃にはMT車が廃止になることは珍しくありません。
3代目ジムニーシエラは2018年に発売し、MT車を希望するユーザーにある程度行き渡った頃です。生産台数が少ないとしても、順番待ちをしている人が減ったぶん納期が短くなりつつあるようです。
【シエラ】納車までに13か月かかった
以下の投稿から、ジムニーシエラが今でも1年を超す長納期車種だとよくわかります。
ほかのオフロード車のような広いスペースが必要ない人にとってシエラは、街乗りや趣味にとバランスが良い車です。
さらに国内メーカーの現行車の中で競合する車種がほぼ無いため、発売から時間が経過した現在でも納期が1年を超す状態が続いています。
しかしシエラは2021年からインドでの製造も始まっており、発売当初と比較すると納期が短くなりました。今後もさらに改善していくことが期待されています。
【ジムニー】2023年5月に注文し、2024年9月ごろに納車された
この人は2023年5月に注文し、納車までに約1年4か月の時間を要しました。
2023年には半導体不足を理由に、ジムニーを生産している湖西工場をたびたび停止しており、これが納期遅れの一因になったと考えられます。
この投稿主が語る製造番号とは車体番号のことです。
車体番号が付いたということは車両はすでに完成しており、工場からの輸送・納車前点検・登録を残すだけの状態です。スムーズにいけば、最短で2週間程度で納車されるでしょう。
【ジムニー】2024年8月に注文し、納期は約1年といわれた
2024年の夏に注文した人は、納期が約1年と予告されているようです。
改善されたように見えますが、あくまでも“見込み”の日程です。社会情勢・部品の供給量・天災などが原因でこれ以上遅れる場合も十分にあるでしょう。



当初の予定納期から数か月以上遅れるのは日常茶飯事です。改良前は特に、一時的にオーダーストップされたり価格改定されたりと私たちディーラー側も悩みがちです。
長納期化は徐々に改善すると予想されますが、不確定要素が多い昨今では納期はあくまでも参考と考えましょう。
今乗っている車の車検のタイミングや買取り価格の変動時期に注目し、早めに行動して契約するのがおすすめです。
ジムニーの納期が早まることはある?


今後も、ジムニーの納期が劇的に早まる可能性はあまり高くありません。
メーカーのスズキは、生産台数を増やしたり生産工場を拡大したりと様々な策を講じています。しかしジムニーの納期が遅い理由は複数あり、スズキだけの問題ではないため改善が難しいのが実情です。
以下では、ジムニーの納期が早まる可能性と早まる方法を考察します。
ただちに早まる可能性は極めて低い
ジムニーが慢性的な長納期化に陥っている理由は複数あり、世界情勢や部品不足などスズキの企業努力では解決できない問題も抱えています。
また新型が登場してから5年以上経過しても月間登録台数が3,682台と安定しており、今も人気が続いています。
情報引用元:2024年7月軽自動車 通称名別 新車販売確報-一般社団法人 全国軽自動車協会連合会



ディーラーが抱えるオーダー待ちの人も相当数いるため、劇的な改善は難しいと推測しています。
ジムニーは国内だけでなく海外需要も非常に高い車種です。当面は1年以上待つことを念頭に置いて乗り換えのタイミングを決めた方が良いでしょう。
ジムニーの生産台数が増産すれば改善される?
長納期化が深刻なら、「増産すれば解決するのでは?」と考える人がほとんどでしょう。
実際にスズキでは過去に、ジムニーシエラの生産工場をインドへ拡大したりジムニーを増産したりしていますが、生産能力はなかなか向上していないようです。
生産能力が向上しない理由として主に以下の4つが挙げられます。
- 生産能力に限界がある…設備を増設すると生産数を保たなければ採算が合わず、受注が減ると損失となるため難しい
- ジムニーの構造の問題…ジムニーは独自パーツが多くて大量生産に向いていない
- ジムニーの燃費が悪い…全車種の燃費数値と販売台数に応じた平均燃費を算出し、一定の範囲内におさめる規定がある
- 慢性的な部品不足…半導体をはじめとする製造に必要不可欠な複数の部品が供給不足である
以上の理由からメーカーは思い切った増産に踏み切れず、結果として増産そのものが難しい状態になっています。
時間が経過すれば早まる可能性はある?
自動車の売れ行きは新型の登場時にピークを作り、その後は緩やかに下がっていきます。



競合車が発売されると市場が活性化するので一時的によく売れることもありますよ。
欲しい人に行き渡ればおのずと購入希望者は減り、供給量に見合う需要に落ち着く頃がきます。
しかしジムニーはフルモデルチェンジから5年以上経過した現在も平均1年以上の納期です。
大量の注文と多くない生産台数を考慮すると、ディーラーに勤める筆者の体感では「そう簡単に納期が短くなることはない」と感じられます。
ジムニーの予約がキャンセル続出は本当?
ジムニーの予約にキャンセルが続出している噂は本当で、SNS上には嘆きのコメントがいくつも投稿されています。
- 長い納期に我慢できなくなった
- 他に欲しい車が見つかった
- 早急に新車が必要になった(車検切れや事故など)
- 家計の状況が変わった
- 急に割り当てられてしまった など



キャンセル続出により、メーカーが余った車を急遽割り当てているようです。予定より短納期になりすぎたことを理由にキャンセルするケースもありますよ。
原則として契約締結後のキャンセルは禁止ですが、対応はディーラーによって異なります。
最近では1年を超える長納期を加味し、メーカーへの発注前なら契約変更やキャンセルを受け付けるディーラーも多くなってきました。不安な人は、キャンセル条件をあらかじめしっかりと確認しておきましょう。
ジムニーの納期が遅い理由
ジムニーの納車が遅いのには、下記のような理由や事情があります。



部品不足に伴う工場停止や納期遅延はどのメーカーも頭を悩ませています。お客様にご迷惑をかけますが、世界規模の問題なためディーラーとしてもご了承いただくことしかできません。
ジムニーで長納期化が目立つ最大の理由は需要と供給のバランスが悪いことです。以下でその理由を詳しく解説します。
不安定な国際情勢や半導体不足で生産が停止した
ジムニーに限らずいずれのメーカーも抱えている問題に、車の製造に欠かせない部品が欠品しやすい状況が挙げられます。
最近の車は使用する部品が増えており、海外からの輸入に頼っている部品は多数あります。



半導体不足をご存知の人も多いのではないでしょうか。需要の増加やコロナウイルス拡大による製造減少によって深刻な半導体不足に陥りました。
また海外部品の製造・輸入には国際情勢も大きく関わっており、戦争や紛争が原因で物流の停滞や原材料の高騰が目立ちます。
なかには海賊の暗躍を理由に納期が遅延した車種もあるほどです。現在の自動車製造業は国際情勢に大きく影響を受けやすい状況に陥っています。
生産台数を上回る人気で供給が足りない
ジムニーの納期が遅い理由に、生産供給を上回る需要の高さがあります。
ジムニーを生産しているのは静岡県にある湖西工場です。この工場の年間総生産台数は46万6,000台で、好調なスペーシアやハスラーも製造しているスズキの主力工場として知られています。
専用ラインにてジムニーを製造しているものの、前述の企業別平均燃費規制の兼ね合いもあり、国内月間登録台数は約3,500台前後で推移しています。
車種 | 登録台数 | 納期目安 |
---|---|---|
スペーシア | 13,073台 | 2-4か月 |
ハスラー | 7,501台 | 2-3か月 |
ワゴンR | 7,083台 | 1-3か月 |
ジムニー | 3,682台 | 1年以上 |
情報引用元:2024年7月軽自動車 通称名別 新車販売確報-一般社団法人 全国軽自動車協会連合会
湖西工場の総生産キャパシティは非常に高く、注力すれば長納期化は即解決できるように見えます。しかし諸般の事情でジムニーの増産には限界があり、高まる需要に供給量が追い付いていないため長納期化が一向に解決しません。
直接的なライバル・競合車がいない
ジムニーには直接的なライバルがおらず、他の車種では見られないエクステリアの重厚感や走行性能が好評です。



パジェロが生産終了となった今では、ジムニーに直接的なライバルがいません。競合車を挙げるなら、ダイハツのタフトやハイワゴン車くらいでしょう。
軽自動車のクロカンはジムニーだけなので根強い人気を誇り、四駆性能を加味しても価格が抑えめなのが嬉しいポイントです。
グレード | 4WD・5MT | 4WD・4AT |
---|---|---|
XG | 1,654,400円 | 1,753,400円 |
XL | 1,780,900円 | 1,879,900円 |
XC | 1,903,000円 | 2,002,000円 |
利便性や価格設定が後押しして趣味のためのセカンドカーに選ばれやすく、これがより高い需要を生み出しています。
製造に時間がかかる車だから
ジムニーは悪路走行に強い頑丈なラダーフレーム構造を採用しているほか、専用部品が非常に多く製造に時間がかかる車種です。
- ラダーフレーム構造
- パートタイム4WD
- 4輪リジットアクスルサスペンション
- エンジン縦置きフロントミッドシップ
- 3ドア …他



コストや工数削減のためにパーツを流用している車種はよくあります。トヨタのカローラシリーズは見た目からわかりやすいと思いますよ。
このような特別な構造からジムニーやジムニーシエラは量販には向いておらず、製造ラインを安易に増やせません。
過去のジムニーは息が長いコアな人気が特徴だったため、今の爆発的な人気はメーカーも想定外なのかもしれませんね。
ジムニーをキャンプや防災に活用するニーズが生まれた
クロスカントリー仕様のジムニーは、キャンプをはじめとするアウトドアにもぴったりです。
ジムニーは純正アクセサリーが非常に豊富で、自分好みの仕様に簡単にカスタムできます。社外品アクセサリーはさらに種類が多く、キャンプブームを追い風にしてSNSや動画投稿サイトで話題を呼びました。
また悪路でも難なく走れる走行性能に注目して一部の警察や消防が採用したほか、いざというときの防災車両として選ぶご家庭もあります。
ジムニーの特徴が時代の関心に合致し、今までにないニーズを呼び起こしたと考察できます。
ジムニーの納期を早める方法5つ
ジムニーの納期を大幅に早めるのは困難ですが、契約前に工夫するだけで少しだけ改善される可能性があります。
ポイントは同じスズキディーラーでも販売できる割当台数が異なる点です。ディーラーで働いている筆者だからこそわかる業界人の視点で詳しく解説します。



「ジムニーに早く乗りたい!」という人はカーリースがおすすめです。大量の車を仕入れるリース会社なら車が早く到着する可能性がありますよ。
カーリースを利用する
ジムニーの納期を早くしたいならカーリースもおすすめです。
カーリース会社は普段から大量の車両を仕入れており、メーカーやディーラーから見れば重要な取引先です。そのため一般客より納期を融通してもらいやすく、結果としてジムニーに早く乗れます。
ただしカーリースを選択する際は、以下のようなメリット・デメリットを加味しなくてはいけません。
- 短納期で納車される可能性がある
- 初期費用を抑えられる
- 満了後に車が貰えるプランもある
- 契約期間を自分で選べる
- 支払い総額が高額になりやすい
- 走行距離制限がある
- 事故のときの賠償負担が大きい
- 原状復帰して返却しなくてはいけない
最近では、オンライン上で申し込みが完結するサービスや初期費用0円のサービスなど様々あります。以下の記事で詳しく比較しているので、カーリースが気になる人はぜひ参考にしてください。


納期を指定せずキャンセル待ちする
ジムニーを早く入手したいなら、契約時に「納期は問わない」「キャンセルが発生したら繰り上げてほしい」と伝えましょう。
ジムニーはお客様との契約後すぐにメーカーに製造発注される車種ではありません。
ディーラーが注文情報を取りまとめ、決められた数を定期的にメーカーにオーダーして製造されます。そのためディーラーはメーカーへの発注待ちを必ず管理しており、キャンセルが発生したらその中で順番の入れ替えを行います。



納期を指定して契約する人もいるので、「いつでも納車OK」と伝えることで納期短縮の可能性が高まります。
特に今はキャンセルが続出しており、キャンセル車両をメーカーが再振り分けすることもあります。条件に上手く合致すると順番が大幅に前進するケースも確認できました。
- すでに契約済みの人がもっとも優先される
- キャンセル車両と同じ条件で契約していた場合、突然割り当てられることがある
- 過去の購入実績によってやや優遇される可能性がある
- 水面下で調整されるため確実に早くなるとは限らない
なおキャンセル待ちでは、具体的な商談がすでに進んでいる人が優先されます。商談なしで「キャンセルが出たら連絡ください」では効果は薄いでしょう。
キャンセル待ちと一言でいっても、ディーラーによって考えやルールが異なります。
キャンセルの埋め合わせには別の契約者が最優先になり、次点で商談メモ(見積もり)を発行している人が候補になります。
また自動車の製造計画は数年先まで予定を立てているので、遠い将来のオーダー権利や商談権利を予約管理している販売店もあります。
運用方法はあまり公にされていないため、一般購入者には判断が難しいでしょう。
複数のディーラーに問い合わせる
同じスズキ車を扱うディーラーでも、販売会社によってオーダーできる台数が少しだけ異なります。
『スズキ自販○○営業所』はメーカー直系ディーラーで、『スズキアリーナ』はフランチャイズディーラーです。また1つの県に複数のスズキ系販売会社があるエリアもあります。
【例】福岡県:九州スズキ販売株式会社・スズキ自販福岡
過去の販売実績・販売進捗・エリア人口などによってメーカーからの割り当て台数が異なるためオーダー数に差が出ます。
都市部のディーラーはお客さんが集中するため割り当て台数が多い傾向があります。可能であれば近県のディーラーも回ってみるのがおすすめです。
ただし県外ディーラーで購入した場合は登録手数料が約3~5万円高くなるため注意が必要です。



ジムニーではありませんが、筆者が車を買ったとき「A社でオーダー終了した特別仕様車がB社では融通してもらえた」という経験があります。
オーダー枠の問題か販売会社の影響力なのかは定かではありませんが、このようなケースもあるので比較検討してみましょう。
納期が早い仕様を教えてもらう
最新情報でも紹介したように、ジムニーはエンジンによって納期が大きく異なります。またボディーカラーやグレードによっても納期が変化します。
- 短納期な場合が多いMT車を選ぶ
- ボディーカラーはツートンを避ける
- 納期遅延の可能性があるオプションを避ける ほか
納期を左右する要素は時期などによって変わります。納期の短縮については営業スタッフが熟知しているので商談時に質問してみましょう。
ジムニー/ジムニーシエラの中古車を探す
「1年以上の納期は待てないけれど、ジムニーやジムニーシエラに絶対に乗りたい!」という人は、中古車も一緒に検討してみましょう。現行の4代目ジムニーも中古車市場に多数流入しており、高額ですが未登録車も販売されています。
販売価格が高いためジムニー 中古 やめた ほうが いいという声もありますが、予算が許せば選択肢に入るでしょう。
気になる相場は、2019年式、総走行距離2万キロ弱で200万円以下の値付けがされており、一時期のプレミア価格はひと段落したように見られます。
しかしもっとも商品層が厚いのが、総走行距離1万キロ以下の総額250万円前後です。旧モデルなら160万円以下が相場なので、予算次第では候補にあげると良いでしょう。
また中古ジムニーの高額車の中には、リフトアップキットの装着やホイールの変更などをしたカスタマイズカーもあります。「最初からカスタマイズされた車に乗りたい」という人も中古車をチェックすることがおすすめです。
まとめ:ジムニーはキャンセル続出でも納期は短縮されない
ジムニーの納期の最新情報をここまで解説しました。
- AT車とMT車で納期に差があり、MT車の方が格段に早い
- ジムニーの納期が劇的に早まる可能性は低い
- 長納期化と急な割り当てでキャンセルが続出している
- 元から大量生産しにくい車のため増産が難しい
- ディーラーごとに若干の納期差がある
発売から時間が経過しても人気が衰えないジムニー。角張ったワイルドなデザインと、悪路をものともしない走りが魅力の車です。
ほかの車と比較してまだまだ納期は長いですが、少しずつ改善はされています。
ジムニーやジムニーシエラを検討中の人は、購入を予定しているディーラーに納期を確認しつつ、中古車やカーリースも視野に入れると効率的です。