アールブイフォーワイルドグースは1994年にクロスカントリー四輪駆動車用パーツ&用品の専門店として創業しました。「クロカン四駆ユーザーの4×4ライフの充実のお手伝いをする」をコンセプトにした、アフターマーケットの様々なパーツを『実物展示する』日本最大級の店舗で、四駆のデパートと呼べる展示スペースを備えた唯一無二の店でした。
当時は四駆ブームで、パジェロ、ジープ、ランクル、サーフ、ビッグホーン等が多数来店しました。ところが、東京都知事(当時)の石原慎太郎氏が掲げた自動車排ガス規制条例の波を受けて、首都圏でほとんどのディーゼル車や旧型四駆が所有も通行も禁止されました。この条例ではほとんどの国産四駆が規制対象となり施行と同時に消えました。使用中の車はおろか中古車にまで適用されたため、神奈川県にある当社は一夜にしてすべての顧客と四駆を失い、残ったのは1台のジムニーと輸入車であるジープXJチェロキーの2台だけでした。
こうした困難な状況の中、当社は、生き残りをかけて経営を多角化する事に舵を切り、まずは自動関連書籍の専門店『ブックガレージ』を開店、次に台湾から四輪バギーを仕入れ、タイからは日本未発売のジムニーSJ413Wやハイラックスピックアップの輸入販売を試みました。しかし販売は芳しくなく経営危機を体験しました。
そこで、軽自動車であるため排ガス規制の対象外であったスズキ・ジムニーにフォーカスし、『ジムニー専門店』となる事を決意しました。2008年の事です。それからジムニー用パーツ開発をスタート、現在では約1,000点のオリジナルパーツを有するまでになりました。2010年には初の『ジムニーセレクトパーツカタログ』を発行。他社が装飾部品をメインとしているのに対して、当社は『ジムニーの機動性能を高める』、『ジムニーの機能を引き出す』事、他社とは違うコンセプトとして、高い機動性を持つHMSサスペンションや前後のアングルが大きく接地しても壊れない金属製バンパー等を製作しました。特にバンパーは最初からけん引機能を付加すると同時に、ウインチ装着まで考慮した設計でフレームが破損しない丈夫な構造であり、他メーカーとは全く違う機能を持ったバンパーというコンセプトデザインに特化しました。「機能がすべてのデザインに優先する」という考え方です。
また、ハードウエアだけでなく、ソフトウエアの提供にも力を入れています。ドライビングテクニックやレスキュー術、ウインチングテクニックを啓蒙する『オフロードスクール』は創業から現在まで途切れる事なく開催し2022年で丸28年が経過し、受講生は千人を超えています。『ジムニーやパーツを購入していただいたときからお客様と新しい関係が生まれる』と考え、ジムニーの楽しさを知ってもらう事をコンセプトに経営してきました。
EVへのシフトが声高に叫ばれている昨今の環境問題で言えば、自動車を取り巻く状況には限界が見えてきているのも事実です。しかし、最大のエコは1台の車を長く使う事だと思います。いくら優れたEVでも10年以上乗らないと、自動車の製造工程を含めたCO2の廃出量は4サイクルエンジン車を超えないと言います。しかし、ジムニーは軽く20年乗れるのです。30年でも大丈夫でしょう。その場合ジムニーは、世界の自動車の中で最右翼のエコカー、究極のエコカー候補となると言っても過言ではないでしょう。
環境保全、気象問題などで激動の時代に求められるカーテクノロジーがあると思います。当社はジムニーの機動性能をトータルで高める事により、気候変動で水没した場所や崩れた道路でも走れる、倒木や落石をウインチで排除するなど、ジムニーライフを満喫する事はもちろん、ジムニーによる危機管理、ひいては社会貢献に繋がる多種多様なソリューションを提供する事でジムニーユーザーの皆様をサポートします。
当社の経営理念を通じ社会へ貢献すると同時に、世界中のジムニーユーザーを支援し、ジムニーの社会的評価、およびに当社企業価値の一層の向上と、次世代のジムニーをより良いものとする事を目指してまいります。
代表取締役社長 二階堂 裕